ファントムナイツ 128
二つの誕生 4
作業室から、リョーカを連れ出したシュタインと上原は、外にアトスとリームがいたことを知った。
「君たちもここにいたのか」とシュタインが声をかける。が、アトスは無言で、その視線をそらす。リームが答えた。
「はい。やっぱり、リョーカが気になっていたので・・・」
「今からリョーカを私の家に連れて行くんだが、君たちも一緒にどうかね。」と、シュタインは気さくに声をかける。だが、アトスは無言でその場を立ち去る。リームがあわてた様子で、答えた。
「これから私たち、ここでの慣熟訓練をしたいと思っているので、またの機会にお邪魔します。失礼します。」
そう言うと、リームはアトスの後を追いかけていった。
「あの、気にしないでください。あの子はいつも、こうなんです。」と、上原が取り繕う。
「あの子の事情はわかっています。無理もない。私だってアトスの立場だったら同じことをするでしょうね。」とシュタインは言った。
「アトス、待ってよ。」と、リームがアトスを追いかける。
「もう、いつもそうだけど、その態度、良くないわ。」
だが、アトスは無言だ。無言のまま、格納庫へと二人は来た。そこには赤と青の大型ロボットが立っている。
「新型のタイタンね。」と、リームが言った。ファントムプロジェクトの成果、新型の大型人型ロボット。マルス型アンドロイドに特性を合わせて作られた、最新のタイタンシリーズである。
「やっぱり、マルスと同じ人工頭脳を持っているのね。同じ感じがするわ。プロメテウスとアトラス・・・・」
「これ、動かせるかな。」とアトスが珍しく声を発した。
「許可をもらえればいいんじゃない?」
30分後、プロメテウスは広大な試験施設に移送され、アトスがコックピットの中に入った。プロメテウスはアトスの指示で立ち上がり、リームが足下で、それを見守る。
プロメテウスは右手を素早く突き出す。
「出力は上でも、パワーはブルータイタンより、やや少ないか。」と、アトスがコックピットで独り言を言う。プロメテウスは前方にダッシュし、数秒で完全に停止する。
「プロメテウス、君、出力リミッターをかけてるね。」と、コックピットの中でアトスが言った。
「あなたの制御では、私の完全制御は不可能です。」とプロメテウスから返答が来た。
「僕の任務は君に基本の動作を教えることだ。リミッターはかけたままでいい。」



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