ファントムナイツ 第20章 迫る脅威 ~9~
マルスが帰ったあと、ジェーンは机にあるディスプレイのタッチスクリーンを操作した。
「ニック、聞こえる?」
すぐにニックの返答がある。ニックはサムソンインダストリーのあらゆる場所から音声でアクセスでき、サービスを提供する。ニックの人工脳は複数の人工脳の連携して機能し、配下には、高速演算が可能な、「マスマティクス」と呼ばれるコンピュータがあり、様々な要求に対し、サービスを提供している。
「はい、ご用でしょうか。」とニックの声が聞こえる。
「敷島玲子さんと話がしたいんだけど、できるかな。」
「音声のみでよろしいですか?」
「ええ、いいわ。」
「少々、お待ちください。」
呼び出し音の後、玲子の声が聞こえた。玲子のハンディにつながったのである。
「はい、敷島玲子です。」
「ジェーン・ウエストです。マルスは今、帰っていったわ。いろいろ元気づけてもらっちゃった。とてもうれしかった。」
玲子がおかしそうに言った。
「あの子が? 私の前では、甘えてばっかりだけど・・・・ でも、良かった。その声の様子だと、少しは元気になった?」
「ええ、おかげさまで。マルスのおかげよ。」
玲子はほっとしたようだった。
「そう・・・ 良かった・・・」
「心配かけて、ごめんね。瑞穂さんはどうだった?」
「瑞穂はあなたのこと、サイボーグだと知ってるから、体調が急に悪くなったと思ってるみたい。マルスまで一緒に行くのを見たから・・・ しばらく、学校へは来ないの?」
玲子は心配そうである。
「ええ、いろいろ事情があるから・・・・」
「みんなが聞いてきたら、適当に答えておくわ。」
これをジェーンは吹き出してしそうになった。玲子は、適当に言いつくろうのがうまいのである。ジェーンがサイボーグであると瑞穂とみつ子に打ち明けたとき。理由をうまい具合にはぐらかせてくれたのを思い出していた
「ありがとう、任せるわ。マルスにもよろしく。」



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