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2009年1月 1日 (木)

ファントムナイツ 第23章 運命の日 ~1~

 第7艦隊はパトロール航路に出ており、プレストシティから離れていたが、プレストシティへと進路を変えた。電子戦艦ミネルバが、セレクターズの暗号通信を傍受し、その暗号を解読したため、いよいよプレストシティ攻撃が開始されると察知したからである。折しも第2艦隊がプレストシティに向け定期パトロールと称して、進路をとっていた。これは攻撃部隊を随伴している可能性が高いと、プレスト海軍は考え、高々度無人偵察機を飛ばし、第2艦隊周辺を探査した。そのデータは連邦軍用のフォースネットではなく、リンク3を使って第7艦隊へも送信された。
「ミネルバから、セレクターズの暗号通信のデータはきたか?」と西郷がエレクトラに聞いた。
「はい、同伴するジュピターの解析結果付きで、データパッケージで送られてきました。」
「早速だが、ビデオ通信であればその映像をみたい。」
「わかりました、正面情報共有ディスプレイに表示します。よろしいですか?」
「おう、頼む。」
 ディスプレイに青いゆったりとしたドレスを着た女性の姿が映し出された。金髪で、女神像のように完璧な容貌である。女性が静かに威厳を込めた声でしゃべりはじめた。
「同士よ。神に選ばれし聖なる戦士たちよ。今こそ、われらの聖なる戦いにおいて、邪悪な者たちを滅ぼすのです。世界はわれら選ばれしもののためにあります。かの地ではロボットが人間とともに暮らすという大罪を犯しているのです。われらは聖なる戦いにおいて、彼らをこの世から抹殺し、地上を選ばれた者たちの手に取り戻さなければなりません。神に選ばれし聖なる戦士たちよ。かの地にはロボットたちが人間を守っている。しかしおそれることはありません。ロボットは人間が作ったもの。われらより下等な存在なのです。おそれることはありません。指導者に従い、かの地を炎によって清め、われらの世界となすのです。」と、その女性の演説が終わると、演説の場にいる多くの者たちの歓声が響く。
「行け! 聖なる戦士たちよ。邪悪なプレストシティを炎によって清めるのだ!」
 大歓声の後、その通信はとぎれたようだ。後は実戦部隊の指揮官がどう動くかだろうと西郷が思った。セレクターズには2種類の人間がいる。己の正義を信じ、カタリナの言葉に従い動く者。そして、カタリナの戦略に従い、目標を冷静に実行するプロの戦闘指揮官たち。西郷は今までの戦いを分析し、それらのことをつかんでいた。春に沈めた潜水艦隊のテックスでも、戦闘指揮官としてはそれなりの力を持っていた。ただ、自分のものしか見ないという、軍人にとって致命的な欠陥があっただけである。
「プレストシティを炎によって清めるか・・・・」と、西郷がつぶやく。 傍らの村山参謀長は言った。
「つまり、サムソンインダストリーやダグラス工業だけでなく、プレストシティも徹底的に破壊すると言うことですね?」

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