ファントムナイツ 第34章 迎撃 5
ベスタの作戦司令室には、緊迫した空気が漂っていた。ソプラノシティ沖に展開している西鄕から、極秘の情報が届けられたからである。
「マリナー司令、西郷中将からの情報です。第1戦闘艦隊所属の潜水艦が、こちらにきているようです。」
「なんですって?」と、マリナーが情報を確認する。すでにカラバシティの正規軍がテロ活動に加担しているとの情報は入っていたが、戦闘艦隊に所属している潜水艦となれば、先ほどの揚陸艦とは脅威のレベルが違う。カラバシティの戦闘艦隊に所属する潜水艦は、核融合炉を搭載している。そのため、数ヶ月間、潜行したまま行動でき、対地ミサイルで
シティを攻撃する能力を持っている。
「ここまでやるとなれば、テロや軍事クーデターというよりも、シティ同士の戦争ね。」と、マリナーがいった。スタッフはマリナーの指示を待つ。西鄕とエドワーズは、ここにはいない。だが、西鄕が送ってきたデータに目を通したマリナーは、ひとつの作戦を思いついた。
小型空母プロセルピナに着艦したルーナのドルフィンは、対潜装備を施し、再び出撃した。マルスもプロメテウスで発進する。マリナーの作戦を遂行するには、ブルータイタンでは不利なため、プロメテウスに乗り換えたのである。やがて、警戒中の海中ロボット「プロッター」が、高速魚雷を探知した。空気の泡に包まれた高速の魚雷は戦闘艦隊が運用する対潜兵器であるが、水上艦にとっても脅威である。
「こちらに魚雷が向かってきます。雷数4本。」
「さすがは戦闘艦隊の潜水艦ね。迎撃はできる?」
「無人護衛艦が迎撃態勢に入ります。」
マーズとダイアナから魚雷が発射される。それは高速魚雷の進路で自爆した。
「高速魚雷がコースを逸脱。迎撃成功。」
「離脱した揚陸艦2隻にも高速魚雷が命中。2隻とも撃沈。」
作戦司令室のスタッフの報告に、マリナーは西鄕が送ってきた敵潜水艦の艦長のプロフィールを思い出した。
「敵前逃亡した味方を撃沈処分したわけね。わかりやすい艦長だこと。」


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