ファントムナイツ 第36章 マルス帰還 5
二人のやりとりを、黙って聞いていたエレクトラが、二人の会話に割り込んだ。
「艦隊司令部よりロンドシティからの通信です。内容は、大西洋におけるセレクターズと、カラバシティ防衛軍の戦力はすべて排除。カタリナの声明は、未だなく、戦闘中に死亡と推定される。それで、太平洋の戦闘の状況を聞いているとのことです。」
「ロンドシティの第3艦隊司令もがんばるね」と、西郷は苦笑混じりに言った。同じ戦闘艦隊の司令官であり、顔なじみではあったが、西鄕にとっては相手にする気は少しもない。
「どのように返答しますか?」と、重ねてエレクトラが聞く。司令部の人間も返答に困っているようだ。
「ロンドシティにはマリナーの戦果を伝えてやれ。それで十分なはずだ。」と、エレクトラに答えると同時に、指示内容をデータパッドに書き込む。これで正式な西郷の指示になる。
「彼は自分の手柄を誇りたいだけだ。まともに相手にする必要はない。こちらの戦果がたいしたことはないと知れば、彼も満足するだろう。今回の一番の英雄になれるからね。」というと、エレクトラに笑顔をみせた。一部始終を見ていたブライトの表情が引きつる。
「自分の成果を認めてもらおうとは思わないのですか? 」
「武力行使に勝利したことなど、誇れるものではない。それに、謀略のたぐいは、賞賛されないものです。」
アナハイムの社員であったブライトは、アナハイムの企業収益を増やすため、軍事受領の底上げのために、テロ活動を行ってきた。成果を上げるために、当たり前のようにテロ活動に関与してきたが、敬愛するモルガンを失い、捕虜となって西鄕に協力するうちに、自分の行いを悔いるようになっていた。


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